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パルスオキシメーターは血液の酸素飽和度を測定するものです。血液中のヘモグロビンは酸素と結合して体の各部に酸素を運びますが、このヘモグロビンの何%が酸素と結合しているか、その割合が酸素飽和度です。すべてのヘモグロビンが酸素と結合していれば100%です。 肺で酸素をもらったばかりの血を動脈血、体のあちこちを回ってきて酸素を失った血を静脈血と言いますが、この動脈血の酸素飽和度は通常95~98%程度で、この値が90%をきると、危険な状態となります。 酸素と結合したヘモグロビンは赤い色ですが、酸素を失うと黒っぽくなります。 赤い光を当てると、酸素と結合した(赤い)ヘモグロビンは、かなりの光を透過しますが、酸素を失った(黒っぽい)ヘモグロビンは、かなりの光を吸収します。 つまり指に赤い光を当てて反対側から見ると、酸素と結合したヘモグロビンが多い程、赤い光が透過してくるというわけです。一方、赤外光では、酸素と結合したヘモグロビンもそうでないヘモグロビンも同じように透過します。指を透過してくる赤い光と赤外光の比は、酸素と結合しているヘモグロビンの量によって変わるので、この比から酸素飽和度を求めるのです。 でも、指が細かったり太かったりしても同じように測れるのでしょうか。当然、厚みが変わると透過する光の量も変わり、センサーの受け取る信号も変化します。 しかし、心臓から拍出された動脈血は波のような形で血管内を移動します。 ごく短い時間の中で、厚みが変化するのは動脈血だけです。皮膚や肉などの組織や静脈は短時間では厚みは変わりません。つまり、信号の変化成分は厚みの変わったものだけ、すなわち動脈血だけの情報となります。この脈動分(変化成分)を見ることで、動脈血だけの成分を見ることができ、動脈血の酸素飽和度が求められるのです。 パルスオキシメーターの発明者は日本光電工業株式会社の青柳氏とされています。 1974年3月29日、日本光電工業株式会社の青柳氏らにより、パルスオキシメータの原理に関する特許「光学式血液測定装置」が出願され、それに遅れること1ヶ月弱の1974年4月24日、パルスオキシメーターの開発を独自に進めていたミノルタカメラ(現コニカミノルタ)より、「オキシメーター」の特許出願がなされています。 最初のパルスオキシメーターは耳で測るものでしたが、1977年に指先で測れる装置がミノルタカメラによって商品化されました。その後も技術開発がすすめられ、現在のような小型の装置になりました。
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